中国芸術宮(万博開催時は中国パビリオン)

古い工場と工場労働者居住地をリバーサイドビューオフィス街に!

 

2018年11月に上海万博が開催された地域とそこに住んでいた人が移り住まされた場所を見に行っての感想を書いてみます。。
2010年に開催された上海万博。
開催されていた時には1日に100万人もの入場者(最終的に7300万人)などという報道を聞いただけで『人を見に行って面白いはずがない』と行きたいとも思わなかった私が今の上海万開催跡地とそこに以前住んでいた住民のその後の移転先生活地域を見て上海万博開催の意義は一体何だったのかをとても考えたくなったのです。
ここに書く内容は私自身の思い込みが少し入っている可能性があることを最初にお詫びしておきますが、結果的に上海市政府は非常に大きな金の生る木を得たことは間違いないことは併記させて頂きます。
まずは2010年に上海万博が開催された地域の地図と写真をご覧ください。

2010年に上海万博が開催された場所の地図。川の上側は浦西地区、下側が浦東地区で中心地は浦東地区。

 

メルセデスベンツ文化センターから見た黄浦江の写真

上海万博の中心地である中国パビリオンがあった地域は上の図の紫の線で囲まれた地域です。
写真はその紫の線で囲まれた地域の黄浦江沿いから撮影した写真です。
この地域は外灘(Bund)から数キロ上流側に上った場所で上海の中心部である人民広場からも南へ数キロの距離にある都市開発をするには絶好の場所だったんです。

もうすぐ黄浦江沿いランニングコースも開通

後数年も経つと浦東陸家嘴にある濱江大道公園からここまで川沿いにランニングが出来る道も整備されるそうです。
では元々この紫の線と水色の線で囲まれた地域に何があったかというと上海鋼鉄(日本の旧新日鉄も技術協力した宝山鋼鉄に吸収合併され、今は武漢鋼鉄とも合併し中国宝武鋼鉄集団という会社になっています)のとても古い製鉄工場と耀華ガラス工場がありました。
私の記憶では2006年末頃まで製鉄工場の高炉が残っていて製鉄工場特有の赤い炎が煙突から出ていたと思います。
上海鋼鉄は非常に古い工場でしたが、上海市中心部に残った最後の大きな製造工場という位置づけで、上海万博開催中も工場跡地をイベント会場として利用していたくらいです。

今でもまだ残されている旧上海鋼鉄工場跡

この上海鋼鉄の工場があった地域は、上海万博の本格的な工事が始まる2006年末以前までは工場の従業員の住宅やその就業者のために商売をしている人達が住んでいた地域で、決してきれいで安全な状態であった地域とは言えない場所でした。
私は偶然この近くに住んでいたいた友人の家に行ったり、この地域の消防署に勤めていた上海人がその後私の部下になったりしていたのでこの地域のことはかなり熟知しているのではっきり書けるのですが、私の意見ではなく現地に住んでいた人の言い方なのですが『貧民窟』と言える状態の場所でした。
昔の中国の工場があった場所やその付近は正直言ってとても衛生的とは言えない場所でしたので、2004年頃この地区にはとても入り込みたくないという雰囲気を醸(かも)し出していました。
ところが上海万博から8年経った2018年の様子はこんなに変化しています。

中国芸術宮(万博開催時は中国パビリオン)

18,000人収容可能なアリーナ・メルセデスベンツ文化センター

2,600人参加の会議が可能な世博中心

上海万博跡地に建設されたオフィスビル

中国パビリオン(今は中国芸術宮=China Art Museumという名前で芸術作品の展示館になっています)の真下には地下鉄8号線の中国芸術宮駅(人民広場駅まで15分程度)。
手前には大きなBMWの展示場、後ろには18,000人収容可能なメルセデスベンツアリーナ、横にはこれも巨大な世貿中心と呼ばれる会議場と様々な国営企業の上海本社ビル。
まだまだオフィスビルを建てる余地はたくさんあり、この土地使用権の販売代金だけで十分に利益が出るはずですし、何よりもこれだけの黄金地帯にリバーサイドビューのある巨大オフィス街とアリーナが確保出来ただけで上海市としては充分にメンツが立つはずのプロジェクトだと感心しました。

 

万博開催地に住んでいた住民の移住先マンションも今は高値に!

浦東三林地区に建設された上海万博会場に住んでいた人移住用の動迁房=DongQianFang

場所は浦東三林地区。
従来の住まいから10キロ程離れてはいますが、今や閑静な住宅地として人気のある地域の一つとなっていますし、何はともあれ粗末な家が立派なマンション(動迁房=DongQianFang)になったことには不満はないと思います。
この地域のマンションは中古でも軽く8,500万円程度で売れますので、もしもう既に年金をもらえる年齢になっていれば、ここを売って更に田舎のマンションを購入すれば十分に一生楽して暮らせるだけの現金を確保出来ます。
これが中国式バブルの世渡りの仕方のようです。
ある意味うらやましい話ですね。

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